猿島(茨城県)(読み)さしま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「猿島(茨城県)」の意味・わかりやすい解説

猿島(茨城県)
さしま

茨城県南西部、猿島郡にあった旧町名(猿島町(まち))。現在は坂東市(ばんどうし)の北部を占める地域。1956年(昭和31)沓掛(くつかけ)町と富里(とみさと)村が合併、郡名と特産の猿島茶にちなんで猿島町と改称した。2005年(平成17)岩井市(いわいし)と合併し、坂東市となった。旧町域は猿島台地と飯沼川(いいぬまがわ)低地からなり、冬の西風が厳しい。主要地方道結城(ゆうき)・岩井線、土浦(つちうら)・境(さかい)線が通る。江戸初期は下総(しもうさ)関宿(せきやど)藩に属し、飯沼新田開発により幕府領となった。農業が盛んで、茶とハクサイやトマト、レタスが名産生子(おいご)の萬蔵院(まんぞういん)の金剛(こんごう)力士像や沓掛香取(かとり)神社本殿は県指定文化財、中世の遺構を残す逆井城跡(さかさいじょうせき)は県指定史跡。八坂神社の祭礼(7月15~22日)で奏でられる「猿島ばやし」は県指定無形民俗文化財。

[櫻井明俊]

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