猪鼻駅(読み)いのはなのえき

日本歴史地名大系 「猪鼻駅」の解説

猪鼻駅
いのはなのえき

古代東海道の駅。「延喜式」兵部省によれば、駅馬一〇疋を備えた。「続日本後紀」承和一〇年(八四三)一〇月一八日条に遠江国「浜名郡猪鼻駅家」とみえ、国司廃止後久しい猪鼻駅の復興を申請したため、検使を派遣、そのうえで復興が命じられている。当駅は三河国渡津わたつ(現愛知県小坂井町に比定される)と遠江国栗原くりはら(現浜松市伊場付近に比定)の間に位置したとみられるが、なんらかの事情で東海道本街道の通行が衰えたため当駅も廃れ、替りに浜名湖北側のいわゆる本坂通が一時期利用されたものと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報