狼煙村(読み)のろしむら

日本歴史地名大系 「狼煙村」の解説

狼煙村
のろしむら

[現在地名]珠洲市狼煙町

寺家じけ村の北西方、能登半島の最北東端に立地する。外浦街道が通る。集落の北東に禄剛ろくごう崎、その南に狼煙新村南西垣内横山よこやまがあり、南に山伏やまぶし(一七二・四メートル)がある。山伏山は「能登名跡志」などによれば、山の過半は当村領で、古くはすずヶ嶽、俗にだけ山とも称し、渡海の船が難風に遭った際、三崎みさき権現(現須須神社)に祈ると火が見え、海難を逃れることができたので狼煙の地名があるという。または「日本書紀」などにみえる烽(狼煙)が海上警戒のために置かれたことに由来するとする説がある(珠洲郡誌)。元和八年(一六二二)二月の前田利常申付状(能登国古文書)に「ぬるし村」とある。正保郷帳に村名がみえ、高三五七石余、田一九町五反余・畑四町二反余、新開高二三石余(免二ツ三歩三厘)。別に狼煙新村が記載される。寛文一〇年(一六七〇)の村御印の草高四三二石、免五ツ、新開高四石余、小物成は山役二一一匁、鳥役三匁(出来)、苦竹役二〇匁、外海船櫂役二八匁(退転)・猟船役二〇匁(うち一五匁が出来)・間役四五八匁(うち一七二匁余が出来)、なお敷借本米・利足は一四石であった(三箇国高物成帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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