犀川(福岡県、旧町名)(読み)さいがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「犀川(福岡県、旧町名)」の意味・わかりやすい解説

犀川(福岡県、旧町名)
さいがわ

福岡県東部、京都郡(みやこぐん)にあった旧町名(犀川町(まち))。現在はみやこ町の中央部及び南部を占める。旧犀川町は1943年(昭和18)町制施行。1956年(昭和31)城井(きい)・伊良原(いらはら)の2村を編入。2006年(平成18)勝山(かつやま)町、豊津(とよつ)町と合併しみやこ町となった、旧犀川町域は南北に細長く、南部は大分県境の英彦(ひこ)山開析溶岩台地が広がって中部の古生層山地に続き、北部は祓(はらい)川、今(いま)川流域に盆地状の沖積低地が開け、平成筑豊鉄道、国道496号が通じる。主産業は稲作を中心とした農業で、野菜や花卉(かき)栽培、酪農も行われている。南部の山地では林業も盛んで、帆柱(ほばしら)地区は京都茶の産地でもある。耶馬日田(やばひた)英彦山国定公園に属す南部山地には、景観に優れた野峠を経て英彦山登山口の一つ高住(たかずみ)神社口へ出る天狗(てんぐ)ラインドライブウェーが通じる。国指定の史跡御所ヶ谷神籠石(ごしょがたにこうごいし)があり、生立八幡(おいたつはちまん)神社の神幸祭は県の無形民俗文化財に指定されている。帆柱にある江戸後期の民家「旧庄屋永沼家(ながぬまけ)」は国指定重要文化財。

[石黒正紀]

『『犀川町史』(1994・犀川町)』

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