牢問(読み)ロウモン

デジタル大辞泉 「牢問」の意味・読み・例文・類語

ろう‐もん〔ラウ‐〕【×牢問】

江戸時代拷問うちむち打ち石抱き海老責めの3種の総称牢問い

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精選版 日本国語大辞典 「牢問」の意味・読み・例文・類語

ろう‐もん ラウ‥【牢問】

〘名〙 江戸時代、笞打(むちうち)石抱(いしだき)海老責(えびぜめ)三種の拷問方法の総称。もう一つの拷問方法である吊責(つるしぜめ)を当時拷問と呼んだのに対する語。牢問は吊責と異なり、罪状が明白なのに告白しない犯人には、何時でも自由に科することができた。実際には笞打、石抱が行なわれ、海老責はまれであった。ろうどい。
※禁令考‐後集・第四・巻三三・宝暦九年(1759)二月二六日「牢問之節御徒目付立合之事」

ろう‐どい ラウどひ【牢問】

歌舞伎島鵆月白浪(1881)三幕「数度牢問(ラウドヒ)に掛けられて」

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世界大百科事典(旧版)内の牢問の言及

【拷問】より

…中世から近世初期には過酷な拷問が行われたと伝えられるが,江戸時代後期の幕府法は,方法を笞打(むちうち)(縛敲(しばりたたき)),石抱(いしだき)(算盤責(そろばんぜめ)),海老責(えびぜめ)および釣責(つるしぜめ)の4種とした。このうち釣責のみを拷問と特称して重い犯罪に限り適用し,他の3者は牢問(ろうもん∥ろうどい)と呼んで区別する。拷問はもとより牢問も実際にはさほど多用せず,これらを用いずに自白に追い込むことが役人の手腕とされた。…

【拷問】より

…中世から近世初期には過酷な拷問が行われたと伝えられるが,江戸時代後期の幕府法は,方法を笞打(むちうち)(縛敲(しばりたたき)),石抱(いしだき)(算盤責(そろばんぜめ)),海老責(えびぜめ)および釣責(つるしぜめ)の4種とした。このうち釣責のみを拷問と特称して重い犯罪に限り適用し,他の3者は牢問(ろうもん∥ろうどい)と呼んで区別する。拷問はもとより牢問も実際にはさほど多用せず,これらを用いずに自白に追い込むことが役人の手腕とされた。…

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