照林坊(読み)しようりんぼう

日本歴史地名大系 「照林坊」の解説

照林坊
しようりんぼう

[現在地名]三次市三次町

住吉すみよし神社の西、三次町の市街地にあり、浄土真宗本願寺派。明鏡山と号し、本尊阿弥陀如来。広島県で浄土真宗寺院として建立された最も古い寺院は、鎌倉初期明光が沼隈郡山南さんな(現沼隈町)に建立した光照こうしよう寺であるが、照林坊も同寺の「明鏡山照林坊由緒」によると同じ明光を開基とし、初め山南の光照寺の近くにあったという。同由緒は明光を藤原頼康四男、母は源義朝の嫡女で源頼朝の甥であり親鸞の直弟子とする。なお光照寺縁起(光照寺蔵)は照林坊の開基を明光の従者新屋(尊智)としている。

入信者を一流相承系図に書加えて視覚的な安心を与えるという明光派の浄土真宗を、備後北部からさらに山陰地方に広めるうえで、先駆的な役割を果したのは照林坊七世祐了である。前記由緒によると、彼は備後・安芸石見の諸国を遍歴したのち、永正四年(一五〇七)安芸国高田郡原田はらだ(現高宮町)へ照林坊を移し、さらに同一四年には同郡船木ふなき(現同町)へ移した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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