焼を入れる（読み）やきをいれる

精選版 日本国語大辞典

やき【焼】 を 入(い)れる

① 刀などを焼いて鍛える。〔物理学術語和英仏独対訳字書（1888）〕

② 人に苦しみなどを与えて鍛える。ゆるんだ気持をひき締めさせる。ぼんやりしているものに活を入れる。

※帰郷（1948）〈大仏次郎〉再会「君の厚ぼったく鈍感な顔附に、少し焼を入れて、他人の苦痛をわかるやうにしてやる」

③ 制裁を加える。拷問にかける。

※蟹工船（1929）〈小林多喜二〉四「一番働きの少いものに『焼き』を入れる事を貼紙した」

出典　精選版 日本国語大辞典