然無(読み)そでない

精選版 日本国語大辞典 「然無」の意味・読み・例文・類語

そ‐で‐な・い【然無】

[1] 〘連語〙 そでな・し 〘連語〙 さようでない。違う。
四河入海(17C前)五「我を父の老泉に似たと云はるるは、そでないことぞ」
[2] 〘形口〙 そでな・し 〘形ク〙 ((一)の一語化したもの)
① 然るべきでない。いけない。悪い。不都合である。そでもない。
※天草本平家(1592)三「ネンライ ヒゴロノ フルマイガ sodenacatta(ソデナカッタ) ニヨッテ イノレドモ カナワズ」
※虎明本狂言・張蛸(室町末‐近世初)「やすひ物をたかううり、そでなひ物をそじゃといふてたらいてうるを」
② そっけない。すげない。つれない。薄情である。
人情本・恩愛二葉草(1834)初「今更袖(ソデ)なき挨拶振りも出来ざれば」

そ‐でも‐な・い【然無】

[1] 〘連語〙 そでもな・し 〘連語〙 そのようでもない。間違っている。違っている。そでない。
※玉塵抄(1563)三七「石や鉄を以て王羲之がかいた書の金か石やなどのやうなにして人がそでもない物をてうほうするぞ」
[2] 〘形口〙 そでもな・し 〘形ク〙 ((一)の一語化したもの) そうあってはならない。いけない。ふつごうである。そでない。
※三体詩絶句鈔(1620)「此の慈恩寺は、京中の寺なれば、そでもなき、やつばらが、寺へ細々出入するときに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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