焦付(読み)こげつく

精選版 日本国語大辞典 「焦付」の意味・読み・例文・類語

こげ‐つ・く【焦付】

〘自カ五(四)〙
① 焼け焦げて、物にくっつく。煮ものなどが焦げて鍋などにつく。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六「カステーラの焦げつくを気にする亭主に」
② 人に貸した金銭や投資した資金などの回収がむずかしくなる。
※松翁道話(1814‐46)二「あの人は焦付(コゲツ)いたけれど、おれはめったに焦付きはせぬというて、三百目持って行っては焦付き、五百目持って行っては焦付き」
③ 取引相場で、相場が固定して変動しなくなる。〔いろは引現代語大辞典(1931)〕
④ ある地位や状態のままで動かなくなる。逆境におちいったまま、浮かび上がることができなくなる。

こげ‐つき【焦付】

〘名〙
① 焦げつくこと。また、そのもの。
貸金などの回収が困難なこと。また、その金。
瓦礫の中(1970)〈吉田健一〉六「貸した金の焦げ付きなんてざらだけれど」

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