潔・屑・清(読み)いさぎよい

精選版 日本国語大辞典 「潔・屑・清」の意味・読み・例文・類語

いさぎよ・い【潔・屑・清】

〘形口〙 いさぎよ・し 〘形ク〙
① 自然の事物、風景などがひじょうに清らかである。よごれていない。清浄だ。また、清らかですがすがしい。
書紀(720)雄略元年三月(前田本訓)「清(イサギヨ)き庭に徐歩(しめやかにあり)く者(ひと)は誰が女子とか言ふ」
② 心や行為に道徳やきまりに反するところや汚れた点がない。潔白だ。
※書紀(720)大化二年正月(北野本訓)「其の坊(まち)の令(うながし)には坊の内に明廉(イサギヨク)強直(こはくただ)しくして時の務に堪ふる者を取りて宛(あ)てよ」
未練がなくさっぱりしている。思い切りがよい。わるびれない。
※私聚百因縁集(1257)九「浄(イサギヨク)名利は捨てけるなり」
④ 明快で心地よい。小気味がよい。りっぱだ。
※寛永刊本江湖集鈔(1633)三「爰では文章の潔いをほめたなり」
[語誌]漢文訓読語。中古和文で、これに当たる語としては、「きよらなり」「うるはし」などがある。

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