漆かき(読み)うるしかき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「漆かき」の意味・わかりやすい解説

漆かき
うるしかき

漆を採集する技術,または漆を採集して歩く人たちのこと。一般に農家副業として行われ,漆器の産地に近い村々の人たちが多く,特に能登会津地方からの出稼ぎが知られている。漆かきは6月から始められ,木に刃物で小さな傷をつけて,そこから流れ出る樹液を桶に移して集める。コロシカキといって,5日おきに5度ほど傷をつけ,最後に枝をおろして伐採し,次の年に新しく芽を出させる方法と,イケガキといって,1期間で木を伐採せずに数年間にわたって採取する方法がある。集めた漆は漆桶に入れ,密封して送られた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android