滝川政次郎(読み)たきかわ まさじろう

山川 日本史小辞典 改訂新版 「滝川政次郎」の解説

滝川政次郎
たきかわまさじろう

1897.5.26~1992.1.29

大正・昭和期の法制史学者。大阪府出身。東大卒。九州帝国大学教授在職中,いわゆる九大事件で職を退き,以後中央大学教授・満州国建国大学教授となる。第2次大戦後,極東国際軍事裁判で島田繁太郎元海相の弁護人を務めた。1949年(昭和24)国学院大学教授就任。日本社会経済学会の創立にたずさわったのをはじめ,法制史学会・地方史研究所の創立など学会活動は多彩。日唐律令制度の基礎的研究のほか,社会経済史・神道史など多方面に業績を残した。著書「律令の研究」「法制史論叢」。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「滝川政次郎」の解説

滝川政次郎 たきかわ-まさじろう

1897-1992 昭和時代の法制史学者。
明治30年5月26日生まれ。九州帝大,中央大教授をへて昭和14年満州建国大教授。東京裁判の弁護人をつとめ,のち国学院大教授。律令(りつりょう)を中心とした日本法制史の研究で知られる。平成4年1月29日死去。94歳。大阪出身。東京帝大卒。著作に「律令の研究」「日本法制史研究」など。

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世界大百科事典(旧版)内の滝川政次郎の言及

【律令法】より

… しかし近代史学の発達とともに,律令の研究はその解釈にとどまらず,多方面にわたって深化した。中田薫の《法制史論集》に収める諸論文や滝川政次郎《律令の研究》は,太平洋戦争以前に発表された代表的な研究文献であるが,これらに共通するものは,中国律令法と日本律令法との相違を明らかにしようとする課題意識である。その点では,日本律令そのものを論じたものではないが,仁井田陞(にいだのぼる)《唐令拾遺》も逸することはできない。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」