湯倉鉱山跡(読み)ゆのくらこうざんあと

日本歴史地名大系 「湯倉鉱山跡」の解説

湯倉鉱山跡
ゆのくらこうざんあと

[現在地名]宮崎町宮崎 湯の倉

切込きりこめから川支流のすみ川をさかのぼった一帯には多くの鉱山があり、関係する地名・遺物伝承なども多い。「安永風土記」に湯倉銀山とあり、敷口五尺・高さ六尺で、「中新田村山師伝兵衛と申者銀山取立(中略)当時掘方仕候」とある。明治一〇年(一八七七)の戸長役場提出文書(氏家安吉家文書)には、長山・檜沢・三日月平・砥沢・明賀沢・清水平などで産出する鉱物の種類と開発年代が記されている。湯の倉入口には十分壱じぶいちの地名があり、移出入品への課税役所(十分一番所)があったのであろう。また寛文一二年(一六七二)の金山下代蜂屋久左衛門の墓碑が残る。檜沢の山林内には砕鉱用に用いられたと思われる直径六二センチの石臼がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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