清浄分散剤(読み)セイジョウブンサンザイ

化学辞典 第2版 「清浄分散剤」の解説

清浄分散剤
セイジョウブンサンザイ
detergent-dispersant

潤滑油の酸化劣化に伴い生成するスラッジなどの極性不溶解分が,金属表面に固着堆積しないように,表面の清浄性を保つ添加剤(清浄剤)と,極性不溶解分を油中に分散安定する添加剤(分散剤)の総称.おもにエンジン油に使用される.清浄剤としては,Caスルホナート,Caサリシラートなどの金属系清浄剤が一般的で,分散剤としてはスクシンイミド系が主流である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の清浄分散剤の言及

【潤滑油】より

…これらの潤滑油原料は,必要に応じて,溶剤精製法によって芳香族分を除き,水素化精製法によって硫黄分その他の不純物を除去し,また溶剤脱蠟法によって高分子量のパラフィンワックスを分離したのち,粘度を調整し,各種の添加剤を加えて最終製品とする。すなわち石油系の基油(ベース・オイル)は適切な粘度(分子量)をもつパラフィン系炭化水素またはナフテン(シクロパラフィン系炭化水素)を主成分とするが,その性能の向上をはかるために清浄分散剤,粘度指数向上剤,酸化防止剤,流動点降下剤,さび止め剤,消泡剤,極圧添加剤などを配合する。清浄分散剤は,潤滑油の酸化生成物やエンジン燃料の不完全燃焼物の固型化,凝集を防ぎ,エンジン内を清浄に保つ目的で添加される。…

※「清浄分散剤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」