深草郷(読み)ふかくさごう

日本歴史地名大系 「深草郷」の解説

深草郷
ふかくさごう

和名抄」高山寺本は「不賀乎佐」、刊本は「不加乎佐」と訓ず。深草の名称は文献に古くから頻繁に登場する。「日本書紀」欽明天皇即位前紀には欽明天皇が手白香皇后の「天皇寵愛秦大津父者、及壮大、必有天下」という進言に従って秦大津父を得たのは「山背国紀郡深草里」であったという。また同書皇極天皇二年(六四三)一一月一日条によれば「深草屯倉」があったともいう。屯倉がいつ設立されたかは不明であるが、秦大津父にかかわる説話と併せ考えて、既に六世紀頃には山城国の要地として重要視されていたことは確かである。

仁和寺文書によれば、延暦一九年(八〇〇)「九条深草東外□□□(里十二カ)坪」にある「家壱区 地陸段」が売買されており(同年六月二一日付山城国紀伊郡司解案)、弘仁八年(八一七)には「九条深草里卅三卅四坪」にある「家壱区 地参段」が売買されている(同年八月一一日付山城国紀伊郡司解案)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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