消炭(読み)けしずみ

精選版 日本国語大辞典 「消炭」の意味・読み・例文・類語

けし‐ずみ【消炭】

〘名〙
① 薪(たきぎ)や炭などの火を途中で消してつくる炭。軽くて柔らかく、火がおきやすい。浮炭。消燠(けしおき)。《季・冬》
※紹鴎茶湯百首「炭置に習計にかかわりて湯のたぎらざる炭はけしすみ」
浄瑠璃・賀古教信七墓廻(1714頃)五「ねやの油煙(ゆゑん)やけしずみをかくし忍んでかくしぶみ」
② (夜中でもおこせばすぐおきるのを、①にたとえていう) 引手茶屋の若い者。特に下働きの男。
※雑俳・柳多留‐七九(1824)「けしずみのおこるは川岸の廻しべや」
吉原遊郭で、風呂番の男。〔東京語辞典(1917)〕
④ (すぐおこるというところから) 気の短い者。〔東京語辞典(1917)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の消炭の言及

【炭】より

…炭を主目的として木材を炭化することを製炭といい,炭焼きともいう。木炭は炭窯で造られた黒炭,白炭のほかに,乾留でできた乾留炭があり,木材の不完全燃焼でできた残渣の消炭も木炭である。木炭は黒鉛,石炭,コークス類と同じ無定形炭素の一種である。…

※「消炭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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