海会寺跡(読み)かいえじあと

国指定史跡ガイド 「海会寺跡」の解説

かいえじあと【海会寺跡】


大阪府泉南市信達大苗代(しんだちおのしろ)にある寺院跡。大阪湾の沿岸、泉南地方最南端の標高約20mの段丘に立地し、その大部分は一岡(丘)(いちおか)神社境内地にあたる。白鳳(はくほう)期創建の法隆寺式伽藍(がらん)配置をとる古代仏教寺院の跡で、寺院を建立した氏族の居宅跡が、同一地域内で確認されている。古代寺院の実態解明に重要な遺跡として、1987年(昭和62)に国の史跡に指定された。海会寺は、かつて主要伽藍を配した堂々たる寺跡であり、中世にも小堂宇で再建されて一岡神社が奉斎されるなどしているが、不思議にも寺伝、縁起、古文献に記録をとどめていない。1936年(昭和11)、『飛鳥時代寺院址の研究』(石田茂作著)によって初めてその存在が広く世に知られた。金堂基壇や塔基壇などが残り、出土品のうち302点は「海会寺跡出土品」として国の重要文化財に指定され、隣接する古代史博物館に収蔵・展示されている。南海電鉄南海本線岡田浦駅から徒歩約25分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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