浜道(読み)はまみち

精選版 日本国語大辞典 「浜道」の意味・読み・例文・類語

はま‐みち【浜道】

〘名〙 浜辺の道。浜づたいの道。はまじ。
※栄花(1028‐92頃)殿上花見「帰らせ給はまみちに、思ひ思ひに競馬などするさへをかし」

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日本歴史地名大系 「浜道」の解説

浜道
はまみち

八王子周辺から欧米諸国への窓口となる横浜に、生糸をはじめとした輸出品などを運搬するときに使われた道。距離は九里ほど(約三六キロ)。浜道は横浜道の略で、浜街道ともいわれ、また八王寺街道の称もある。この道筋は横浜開港の安政六年(一八五九)より以前から使われており、生糸商人を通して集められた国産の生糸を大八車や馬の背に乗せてオランダの東インド会社の指定地に運び込んで密貿易が行われていたことから、裏街道ともいわれた。横浜港の岬の端には八王子鼻と称される場所があり、ペリー来航時にはその岬端に「1854」と読める落書が記されたとの記録が残っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報