流体輸送(読み)りゅうたいゆそう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「流体輸送」の意味・わかりやすい解説

流体輸送
りゅうたいゆそう

流体が流れる管の中に物を混入して輸送する方法。機械的輸送に比べ装置の維持保守が容易、天候に左右されない、衛生的であるなど多くの利点をもつ。

 ばら状の被輸送物が流体に直接接触して輸送される方式と、破砕または流体との接触を嫌う被輸送物を容器カプセル)に詰めて輸送する方式とがある。前者は空気輸送と水力輸送とに大別される。空気輸送は小麦粉セメントなどの粉粒体の工場内輸送や地域のごみ収集に利用され、水力輸送は石炭土砂などの長距離輸送に使用されている。空気カプセル輸送は従来の輸送方式よりも経済的で、将来の大都市間の輸送手段として期待されている。そのほか、郵便局における郵便物の輸送、銀行、会社における書類の輸送に用いられる気送管も流体輸送の一種である。

池尾 茂]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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