河野安信(読み)こうの・やすのぶ

朝日日本歴史人物事典 「河野安信」の解説

河野安信

没年:明治18.9.17(1885)
生年:文政3(1820)
幕末明治期のあけび蔓細工の創案者。信濃国高井郡野沢村(長野県野沢温泉村)生まれ。通称は重次郎。山野に自生するあけび蔓を利用して,草履表や飯かごなどを製作するために,弘化2(1845)年「にぎりかんな」を考案して蔓の厚みを揃えることに成功。村内に普及し,農閑期の本格的な副業として発達した。明治8(1875)年,自作の蔓細工品を内国勧業博覧会に出品し,好評を博した。その後,野沢村の蔓細工製品の需要はさらに増した。村の功労者として,死後に健命寺の境内頌徳碑が建てられた。蔓細工の普及は今でいう村おこしの先駆けといえる。<参考文献>『野沢温泉村誌』

(小松芳郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河野安信」の解説

河野安信 こうの-やすのぶ

1820-1885 江戸後期-明治時代の殖産家。
文政3年生まれ。信濃(しなの)高井郡野沢村(長野県野沢温泉村)の人。アケビの蔓(つる)をさく加工器具を考案して,アケビ細工をひろめる。七子織りの織機改良などにもつくした。明治18年死去。66歳。通称は重次郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android