江戸秩父道(読み)えどちちぶみち

日本歴史地名大系 「江戸秩父道」の解説

江戸秩父道
えどちちぶみち

江戸時代、秩父大宮郷(現秩父市)から青梅街道多摩田無宿を経て江戸に通じた道。同時代、江戸と秩父を結ぶおもな往来には秩父往還(熊谷通)・川越秩父道(川越通)吾野あがの(我野)通とよばれた当街道の三つのルートがあった。このうち当街道が最も距離が短く秩父街道あるいは絹の道ともよばれた。江戸から当街道経由で秩父大宮に向かうルートは、江戸日本橋から内藤新ないとうしん宿(現東京都新宿区)までは甲州街道、同宿から青梅街道を利用して田無宿に向かい、同宿で青梅街道から分れ、久米くめ宿(現所沢市)扇町屋おうぎまちや(現入間市)坂石町分さかいしまちぶん(現飯能市)正丸しようまる峠・あし久保くぼ(現横瀬町)を経て大宮郷へ至るもので、江戸からの行程は二二里、熊谷通の二八里、川越通の二四里と比べて二里から六里短く(「風土記稿」など)、秩父地方で生産された絹の江戸への輸送路であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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