求塚・処女塚(読み)もとめづか

精選版 日本国語大辞典 「求塚・処女塚」の意味・読み・例文・類語

もとめ‐づか【求塚・処女塚】

[一] 神戸市東灘区御影塚町にある菟原処女(うないおとめ)の塚。神戸市灘区などにもある。
散木奇歌集(1128頃)羇旅「もとめ塚おまへにかかる柴船のきたげに成ぬよる方をなみ」
[二] (求塚) 能楽曲名。四番目物。観世宝生金剛喜多流。観阿彌作か。「大和物語」などによる。旅僧が摂津国生田(いくた)の里で若菜を摘んでいる女たちに求塚のありかを尋ねると、女たちは知らないと答え、やがて一人の女を残して帰っていく。その残った女が僧を求塚に案内し、昔二人の男に恋された菟名日少女(うないおとめ)は川に身を投げて死に、二人の男もその塚の前で刺し違えて死んだと語り、塚の中に姿を消す。その夜僧が読経していると、菟名日少女の霊が塚の中から現われて、男たちの亡霊鴛鴦(えんおう)に責められる有様を語る。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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