精選版 日本国語大辞典 「気毒」の意味・読み・例文・類語
き‐の‐どく【気毒】
〘名〙 (形動) (もと、自分の心や気分にとって毒になることの意)
(イ) 気がもめたり、気がかりであったりして、腹だたしく思ったり、厭に思ったりすること。また、そのさま。
※浮世草子・好色一代男(1682)五「され共(ども)乗懸(のりかけ)あとさきに隔り、こころのまま咄しのならぬ事気のどく也」
(ロ) 困ってしまうこと。また、そのさま。困惑。迷惑。
※虎寛本狂言・萩大名(室町末‐近世初)「さてさて気のどくな事で御ざる。是は何によそへた物で御ざらうぞ」
(ハ) きまりの悪いこと。恥ずかしいこと。また、そのさま。
※浮世草子・浮世親仁形気(1720)一「七十にちかいおやぢ様を兄分にたのむと書きては、わしが年をむしゃうにふけたやうに沙汰せらるるも気毒(キノドク)」
※人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)後「いはれてお雪は気のどくそうに、顔をあかめて」
※虎寛本狂言・船渡聟(室町末‐近世初)「『扨々(さてさて)夫(それ)は気のどくな事を致いて御ざる』『イヤイヤくるしう御ざらぬ』」
③ (━する) 迷惑をかけたり、労力を使わせたりして申し訳ないと思うこと。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉後「否(いい)や、玉さん、気の毒したが、僕は最早(もう)飲むまい」
きのどく‐が・る
〘自ラ五(四)〙
きのどく‐げ
〘形動〙
きのどく‐さ
〘名〙
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報