殿之浦免(読み)とんのうらめん

日本歴史地名大系 「殿之浦免」の解説

殿之浦免
とんのうらめん

[現在地名]鷹島中通免なかどおりめん

鷹島の中央部南寄りに位置し、深い入江がある。この海底から文永・弘安の役のときのモンゴル軍の刀や唐壺などが引上げられ、また平戸藩主が領内巡見の際に着岸した浦湊とされる。江戸時代は鷹島村のうちで、元禄一二年(一六九九)の平戸領分郷村帳では鷹島村浦分として殿野浦と記される。嘉永七年(一八五四)「平戸青野鷹島之内殿ノ浦」の百姓小太郎倅の鉄蔵が豊後国高田たかだ(現大分県豊後高田市)の由吉兵衛から不正物と知りつつ、謝礼銭三貫文をもってその小売を引受け、浦々漁場で売りさばいていたところ船改方役人に捕押えられ、吟味のうえ所払に処されている(口書集)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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