橡・栃(読み)とちのき

精選版 日本国語大辞典 「橡・栃」の意味・読み・例文・類語

とち‐の‐き【橡・栃】

〘名〙 トチノキ科の落葉高木。日本の特産種で、各地の山地の沢沿いに生え、庭木や街路樹にもされる。大きいものは、高さ三〇メートル、径二メートルぐらいに達する。葉は掌状複葉で五~七個の小葉からなり、長柄をもち枝先に対生する。各小葉は長さ一〇~三〇センチメートルの倒長卵形で、両端がとがり、縁に不規則な鋸歯(きょし)があり、裏に赤褐色の軟毛を密布する。五月ごろ、白色で紅色の斑のある径一五ミリメートル内外の四弁花を開く。花は多数密集した大きな円錐花序となる。果実は倒円錐形で径五センチメートル、種子はクリに似て光沢のある赤褐色に熟す。種子から澱粉をとり、橡餠橡粥をつくる。材は良質で建築・器具・楽器・彫刻などに用いる。よく似たものに、ヨーロッパ原産のマロニエがある。漢名に当てる天師栗、七葉樹はいずれも中国産の別種の名。とち
霊異記(810‐824)中「時に吉野の郡桃花の里に椅(トチノき)有り、〈国会図書館本訓釈 有椅 下云土知乃木〉」

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