楽阿彌(読み)らくあみ

精選版 日本国語大辞典 「楽阿彌」の意味・読み・例文・類語

らく‐あみ【楽阿彌】

[1] 〘名〙 安楽に暮らす人、気楽な人を人名のように表わした語。楽坊主(らくぼうず)楽隠居。楽人(らくじん)楽助(らくすけ)。楽阿彌陀。
※俳諧・鷹筑波(1638)一「尺八か一よきりなるこぞことし 春はたれしも心らく阿彌(あミ)〈宗朋〉」
[2] 狂言。各流。舞狂言。旅僧が伊勢国別保(べっぽう)松原で、松の木に多くの尺八がかけてあるのを見つけ、近くの者にそのいわれを尋ねると、ここで尺八を吹きながら死んだ楽阿彌陀仏を弔った跡だという。そこで僧が尺八を奏すと、楽阿彌の亡霊が現われて尺八の功徳を説き、最後の時のさまを語る。

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