桜ヶ丘銅鐸出土地
さくらがおかどうたくしゆつどち
[現在地名]灘区高羽
石屋川上流の六甲山南斜面の標高二四〇メートルの丘陵（通称神岡）上に立地する。桜ヶ丘遺跡ともいう。丘陵頂上部は北東から南西方向へ約五〇メートルばかり平坦な尾根が続き、その北東端から三メートル下った傾斜地から出土した。出土地に最も近い集落は南へ約五〇〇メートル行った標高一二五メートルの尾根上に立地する弥生時代中期の桜ヶ丘Ｂ地点遺跡であり、銅鐸の埋納集団と推定される。昭和三九年（一九六四）一四個の銅鐸と七本の銅戈が発見され、その後精査と実測が行われた。銅鐸・銅戈は傾斜角度が約三〇度の急斜面に一括して埋納されていたと考えられる。規模や出土状態は不明であるが、銅鐸に付着した銹の状況から二群に分けて埋納されていたと推定されている。銅鐸は流水文銅鐸三個・袈裟襷文銅鐸一一個、銅戈七本で、一号鐸（外縁付鈕式流水文総高四二センチ）・二号鐸（外縁付鈕式流水文四二・四センチ）・三号鐸（外縁付鈕式流水文四四・五センチ）・四号鐸（扁平鈕式五区袈裟襷文四二センチ）・五号鐸（扁平鈕式四区袈裟襷文三九・二センチ）・六号鐸（扁平鈕式六区袈裟襷文六三・七センチ）・七号鐸（扁平鈕式六区袈裟襷文四二・九センチ）・八号鐸（扁平鈕式六区袈裟襷文四二・二センチ）・九号鐸（扁平鈕式六区袈裟襷文四二・九センチ）・一〇号鐸（扁平鈕式六区袈裟襷文四二・八センチ）・一一号鐸（外縁付鈕式四区袈裟襷文四五・三センチ）・一二号鐸（扁平鈕式四区袈裟襷文三一・四センチ）・一三号鐸（扁平鈕式四区袈裟襷文二一・九センチ）・一四号鐸（扁平鈕式四区袈裟襷文二一・〇五センチ）。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
