枡小屋ノ丁(読み)ますごやのちよう

日本歴史地名大系 「枡小屋ノ丁」の解説

枡小屋ノ丁
ますごやのちよう

[現在地名]中央区唐人町とうじんまち二―三丁目

唐人町横とうじんまちよこ町の北に筋違いで南北に延びる通りの両側町。枡木屋とも書く。福岡博多近隣古図では「枡小屋ノ丁」と記される武家町で、北端は枡小屋に突当り、南は浪人ろうにん町、東は大円寺だいえんじノ丁、枡小屋の北裏は博多湾に臨む。「筑前国福岡区地誌」は「升木屋ノ町」と記し、町名の由来を「旧藩ノ時舛奉行大野某カ舛屋ヲ立シ地故名ツク」とする。舛奉行・舛屋については他に徴証を得ないが、天保分限帳(集成)大工頭大野助右衛門は禄高二〇〇石で「御国中升座請持」とみえ、町名の所伝に関連するか。元来、大野氏は福岡藩主の初代黒田長政、二代忠之の代からその活動が知られる大工で(慶長一七年一〇月一五日「黒田長政判物」笹原家文書、寛永三年「黒田忠之条書」野村家文書)、忠之の一周忌後の明暦元年(一六五五)に三代藩主黒田光之が福岡城三の丸を修営した際には寺島孫右衛門とともに大工頭を勤めており(新訂黒田家譜)、のち大野・寺島両大工頭は代々当町や唐人町に居住している(「文化分限帳」「安政分限帳」集成など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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