松葉城跡(読み)まつばじようあと

日本歴史地名大系 「松葉城跡」の解説

松葉城跡
まつばじようあと

[現在地名]宇和町下松葉

下松葉の東の背後、比高一九〇メートル、標高約四〇〇メートルにある山城。頂上付近は一五―二〇メートルの岩壁がそびえ、その上に石畳を敷き詰めたように露岩の平坦面がある。小祠と宇和島藩の漢学者上甲振洋撰文の松葉城碑・石畳井戸がある。岩瀬いわせ城ともいう。

「宇和旧記」は「松葉城主、清華的々、後西園寺藤原氏公広卿也。此松葉城は下松葉村にあり、岩瀬城とも云、後は黒瀬城を拵へ移住し給ふ、是は松葉町にあり、今の卯之町也」と記す。永和二年(一三七六)宇和庄に下向し、山田やまだ御所(現宇和町山田と推定)に在館(歯長寺縁起)したと伝えられる西園寺公良の子孫は土着して在地領主となり、室町中期に他の在地領主との抗争が進むなかで、この地に松葉城を建設し、宇和盆地を支配することになったのであろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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