松浦庄(読み)まつらのしよう

日本歴史地名大系 「松浦庄」の解説

松浦庄
まつらのしよう

治承二年(一一七八)六月二〇日の後白河院庁下文案(東寺百合文書)に「為最勝(院脱)領管肥前国松浦庄事、四至 限東松浦河并東郷堺山 限南大瀬并杵嶋庄堺 限西木須嶺并波多津西崎 限北海并加良嶋」と松浦庄の四至を示す。これは現在の唐津市の松浦川西域を中心にして南は伊万里市の一部にまで及んでいる。

同文書と安元元年(一一七五)一二月日の大宰大弐庁宣案(「古文書纂」京都大学蔵)は、当庄が最勝光院領になった経過を伝える。当庄はもと筑後守にもなったことのある大江国兼の私領で、その息で肥前守を勤めた国通に伝えられ、保延五年(一一三九)鳥羽院庁下文によって別符として認められた。国通ののち三代にわたって女子が相続し、平政子なる者に伝えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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