松屋寺(読み)しようおくじ

日本歴史地名大系 「松屋寺」の解説

松屋寺
しようおくじ

[現在地名]日出町日出 石道

日出城跡の北方、字石道いしみちにある。康徳山と号し本尊釈迦如来。曹洞宗。当寺の縁起書によれば、養老年間(七一七〜七二四)仁聞が開いた水月すいげつ堂があり、文応元年(一二六〇)西明寺入道北条時頼がこの水月堂に来泊して以後西明さいみよう寺と称したという。また別に当地の地頭大神観澄が入道してこの寺に入り、西明寺殿と称して天台宗を奉じたともいう。現杵築きつき八坂の生桑やさかのいくわ寺蔵大般若経第四二六巻の奥書に、「愚筆藤原頼兼 文和二年癸巳三月廿七日、於豊後国日出庄赤山西明寺書写了、願主僧仁勢」とある。

慶長七年(一六〇二)日出藩主木下延俊は西明寺を現在地に移転させて菩提寺となし、西明寺住僧の青庵天を開山とした。木下延俊の祖母(豊臣秀吉妻北政所の母)朝日局を開基とし、諱の康徳寺殿松屋妙貞をとって康徳山松屋寺と命名した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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