松之郷村(読み)まつのごうむら

日本歴史地名大系 「松之郷村」の解説

松之郷村
まつのごうむら

[現在地名]東金市松之郷・日吉台ひよしだい八坂台やさかだい

道庭どうにわ村の西、東金町の北方に位置する。当地菅谷すがやを古代の山辺やまべ管屋すがや(和名抄)の遺称地とする説もある。久我台くがだい城跡は建長元年(一二四九)に北条長時が房総三国の守護に任命された時に築城し、久時・守時の三代が居住し、幕府滅亡とともに当城も廃城となったと伝える。発掘では当該期の遺構は検出されなかった。応永二七年(一四二〇)一二月二一日、鎌倉公方足利持氏は鎌倉浄光明じようこうみよう寺の支院である玉泉ぎよくせん院の末寺「粟宇郷内真珠寺」などの諸公事免除を安堵し、守護代・検断方の妨げを禁止している(「鎌倉公方足利持氏御教書」浄光明寺文書)。この粟宇郷については粟生あお(現九十九里町)とする説もあるが、当地に隣接する湯井ゆい(由井)郷などが浄光明寺領であったので、当地の字粟生を比定地とするのが妥当であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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