杵築城跡(読み)きつきじようあと

日本歴史地名大系 「杵築城跡」の解説

杵築城跡
きつきじようあと

[現在地名]杵築市杵築

杵築城下の東端の台地上にある。木付氏四代頼直は居城であったたけ城が、河川の土砂堆積と狭小なことなどを理由に海上に浮ぶ小島だい山に築城した。明徳四年(一三九三)起工、応永元年(一三九四)竣工し、木付きつき城と称した。この頃この付近が八坂下やさかしも庄から木付下庄とよばれるようになったからであろう。また台山だいさん城とも、島の形から臥牛がぎゆう城ともよばれた。城の築かれた小島は南北両台地から大潮の時だけ歩いて渡れたという。天正一四年(一五八六)島津軍が豊後国に侵入し、南北両台を占領して城の西方から攻撃したが攻めきれないため、南方八坂川から渡河攻撃をかけたところ、干満の差が大きくて失敗し、ついに退却したという。文禄二年(一五九三)大友氏が改易となり、臣下であった木付氏も朝鮮よりの帰途に豊前門司浦で入水し、木付氏の時代は終わった。豊臣秀吉は豊後国の検地奉行として、木付城に宮部善祥坊法印継潤を入れた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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