東比田村(読み)ひがしひだむら

日本歴史地名大系 「東比田村」の解説

東比田村
ひがしひだむら

[現在地名]広瀬町東比田

宇波うなみ村の南、飯梨いいなし(布部川)に流入する東比田川の源流地帯の山村。東は十年畑じゆうねんばた(現伯太町)、南は猿隠さるがくれ(八一六・九メートル)を境に伯耆国、西は西比田村・梶福留かじふくどめ村。猿隠山の東側鞍部を越えて伯耆日野ひの礪波となみ(現鳥取県日南町)へ抜ける道があり、「郷方古今覚書」に「東比田村より、伯州礪波村迄、壱里壱町廿二間」とある。東比田川は猿隠山に発し、坊床ぼうとこ山から発する坊床川、角力庭すもうばから発する前谷まえだに川などの支流を合せ、布部ふべで西比田から流れる飯梨川に合流する。字松本まつもとの崖に松本横穴墓があり、土器などが出土している。猿隠山夫婦松成めおとまつなりで野ダタラ跡が昭和三〇年(一九五五)に発見された。この付近では古代から製鉄が行われていたとみられる。古代には当初仁多にた郡に属していたが、のち能義郡に含まれた。中世には比田(庄)の一部で、天文八年(一五三九)四月一〇日の山王大権現(現日吉神社)の造営棟札銘(島根県史神社資料)に東比田の地頭として大槙(大馬木)河内守正定の名がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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