東和(福島県)(読み)とうわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東和(福島県)」の意味・わかりやすい解説

東和(福島県)
とうわ

福島県中通り北部、安達郡(あだち)にあった旧町名(東和町(まち))。現在は二本松市の東部を占める地域。1955年(昭和30)針道(はりみち)、戸沢(とさわ)、木幡(こはた)、太田の4村が合併して東和村となり、1960年町制施行。2005年(平成17)安達(あだち)、岩代(いわしろ)の2町とともに二本松市に合併。国道349号が通じる。阿武隈(あぶくま)高地北西縁の丘陵地にあり、西部を阿武隈川が北流する。木幡山(666メートル)、羽山(はやま)(897メートル)、口太(くちぶと)山は山頂が斑糲(はんれい)岩からなる残丘である。近世は二本松藩領。中心地区の針道は川俣(かわまた)街道(相馬(そうま)街道)の宿駅で、生糸の集散地であり、馬市も開かれた。産業は野菜栽培や畜産を主とする。かつては養蚕が盛んであったが、減少傾向にあり、桑の葉を用いた健康食品の開発が行われている。木幡山を神域とする式内社の隠津島神社(おきつしまじんじゃ)の「木幡の大スギ」は国指定天然記念物で、三重塔は県指定重要文化財。12月の「木幡の幡祭り(こはたのはたまつり)」は源氏東征にちなむといわれ、2004年には国の重要無形民俗文化財に指定された。

[安田初雄]

『『東和町史』全3巻(1980~1983・東和町)』


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