李長庚(読み)りちょうこう(英語表記)Li Chang-geng; Li Ch`ang-kêng

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李長庚」の意味・わかりやすい解説

李長庚
りちょうこう
Li Chang-geng; Li Ch`ang-kêng

[生]乾隆15(1750)
[没]嘉慶12(1807)
中国,清朝中期の武将福建省同安県の人。字は超人。号は西厳。諡は忠毅。乾隆 36 (1771) 年の武科挙の進士。藍 翎侍衛を経て同 52年に福建海壇鎮総兵となる。定海鎮総兵のとき,嘉慶5 (1800) 年にベトナムの阮氏の残存勢力が中国人とともに船で進攻したのを三鎮水軍を率いて撃退し,福建水師提督に上った。当時,海盗の蔡牽海上覇権を握っていたが,福建,浙江の水軍を率いてこれと戦い防衛に努め,同8~9年に蔡牽軍を大敗させた。しかし同 12年に蔡牽を広東潮州に追撃しているときに戦死。その著書に『水戦紀略』『詩文遺集』がある。

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世界大百科事典(旧版)内の李長庚の言及

【艇盗の乱】より

…のち阮福映(1762‐1820,嘉隆帝)の王朝(グエン朝)が樹立されると後背地を失い,福建の海賊蔡牽の下に結集した。100余艇を率いる蔡牽の水軍に対し,清朝は李長庚を起用した。李長庚は戦力に勝る敵をよく敗走させたが,上官の掣肘(せいちゆう)をうけ根絶させえぬまま戦死した。…

※「李長庚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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