杉浦康平(読み)すぎうらこうへい

百科事典マイペディア 「杉浦康平」の意味・わかりやすい解説

杉浦康平【すぎうらこうへい】

グラフィックデザイナー。東京生れ。東京芸大卒。特に装幀・造本,タイポグラフィーの分野で視覚言語文法を探る実験を繰り返し,革新的な作品を生み出してきた。1960年代から1970年代にかけての東京画廊カタログ,1970年代の雑誌《エピステーメー》や《遊》,視覚的ノイズを大胆にタイポグラフィーに導入した《人間人形時代》(稲垣足穂著,1975年)や《全宇宙誌》(1979年),そして《時間軸変形地球儀》などのダイヤグラム等々,代表作は数多い。曼荼羅などアジア図像・文字の集成・研究でも知られ,その成果は1975年から続く写研のカレンダー《文字の生態圏》や,独創的な造本がなされた豪華本《伝真言院両界曼荼羅》(1977年),《西蔵曼荼羅集成》(1983年)に結実している。
→関連項目川田喜久治中垣信夫日本宣伝美術協会

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「杉浦康平」の解説

杉浦康平 すぎうら-こうへい

1932- 昭和後期-平成時代のグラフィックデザイナー
昭和7年9月8日生まれ。多数ブックデザインを手がける。曼陀羅(まんだら)をはじめとするアジアの図像研究,ブータンの切手デザイン,ビジュアルコミュニケーション論などにもとりくむ。昭和30年日宣美賞,46年講談社出版文化賞ブック・デザイン部門,平成9年毎日芸術賞。神戸芸術工科大教授。東京出身。東京芸大卒。著作に「日本のかたち・アジアのカタチ」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「杉浦康平」の意味・わかりやすい解説

杉浦康平
すぎうらこうへい

[生]1932.9.8. 東京
グラフィック・デザイナー。 1955年東京芸術大学建築科卒業,フリーランサーとして活動を始めた。同年8月,線図形と日本文字のデザインを組合せたレコード・ジャケットで第6回日宣美賞を受賞以後も印刷文字とレイアウトについて新しい試みを行う。 62年毎日デザイン賞,71年講談社出版文化賞を受賞。 64,66年,ドイツのウルム造形大学客員教授をつとめた。著書『乱視的世界像』ほか。

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