札幌岳(読み)さつぽろだけ

日本歴史地名大系 「札幌岳」の解説

札幌岳
さつぽろだけ

南区の南部にある山で、標高一二九三・八メートル。西側には豊平峡ほうへいきようダムによってつくられた定山じようざん湖がある。当山の周辺から発する盤の沢ばんのさわ川・滝の沢たきのさわ川・蝦蟆沢がまさわ川などはすべて豊平川(旧名サッポロ川)に合流しており、山名はサッポロ川の源流部に位置することに由来。松浦武四郎は「蝦夷日誌」(二編)で、千歳川がシコツ嶽(風不死岳)と「サツポロ嶽」の間から流れ落ちると記し、「廻浦日記」の「トイシカリフト」(ツイシカリ)の項では、千歳川をさかのぼって「是より一路に堅雪の上を上りてサツポロ岳に到る」ことや「其辺に温泉有と。是よりもウス領分トクシヽヲンヘツへ越える」ことなど、地元のアイヌから聞いたことを書留めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「札幌岳」の意味・わかりやすい解説

札幌岳
さっぽろだけ

札幌市南西部にある山。標高1293メートル。北海道南西部に広がる後志火山群(しりべしかざんぐん)の一隅を占め、札幌の背後を形成する古い火山体の一つ。支笏洞爺(しこつとうや)国立公園内にあり、夏季の登山者が多い。この山を開析している蝦蟆(がま)ノ沢、冷水沢は豊平(とよひら)川の上流に流入し、また西麓(せいろく)には豊平峡ダム(ほうへいきょうだむ)がある。電源開発と札幌市の上水道の貯水池としての役割をもつが、同時に人造湖と自然の調和による美しさで行楽客を集めている。

[奈良部理]

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