本地村
ほんじむら
[現在地名]千代田町本地
西の猿喰山（七九六・一メートル）、南西の海見山（八七〇メートル）と東の大掛山（八一七・九メートル）に挟まれて北東流する冠川流域を中心として細長く開けた村。石見浜田路が南の南原村（現広島市安佐北区）から入り、村のほぼ中央を通って有田村へ抜ける。「和名抄」記載の古代品治郷の地に比定される。文和元年（一三五二）一〇月六日付の足利義詮安堵状（園城寺文書）に「下品地郷」がみえる。享禄四年（一五三一）一〇月一四日付の「閥閲録」所収桂善左衛門家文書によれば「下本地盛久名之内五反」が毛利元就から家臣桂三郎太郎に、また天文一一年（一五四二）三月二七日付の同書所収中村藤左衛門家文書によれば「上本地内末広名一町二反」が元就から家臣中村弥二郎に、各々給せられている。本地が上下に二分されていたことが知られる。
本地村
ほんじむら
[現在地名]瀬戸市東本地町・西原町・高根町・西本地町・駒前町・坊金町・坂上町・小坂町・井戸金町・山の田町
東は菱野村に接する。南半は丘陵地帯である。北半の平坦地の中央を東から西に山口川が流れ、村境で瀬戸川と合して矢田川となる。寛文一一年（一六七一）の家数四二、人数二四三（寛文覚書）。「徇行記」によれば、田は四二町八反七畝余、畑は六町二反二畝弱で概高八五五石余のうち、一六八石余は藩士三人の給知。村は上田・中切・坂上・坂下・五軒島・寺下・井山・原山新田・八町寺の九区に分れていた。
本地村
ほんじむら
[現在地名]南区星宮町・本星崎町・本城町・石元町・道全町・西田町・本地通
天白川の西に位置し、北は笠寺村、南は南野村に接する。江戸時代後期の村絵図（愛知県立図書館蔵）によれば、集落は天白川に沿って南北に細長く延び、現在の国道一号と東海道新幹線に挟まれた地は「塩浜字前浜」「塩浜字あら浜」と塩浜が記されている。この辺りからは製塩遺物が出土した。「寛文覚書」によれば、田は一三町五反余、畑は一八町二反余。慶安元年（一六四八）六反八畝の塩浜新田が開発されて以来、塩田も増加し塩屋は二八軒。「平田船拾壱艘有之、御用之時、浦水主出ス、津嶋天王祭礼之時、車船出ス」（寛文覚書）と漁村の様相を示していたが、江戸後期になると「只藻採船ノミアリテ、船カセキノ者ナシ」（徇行記）と変化が起こっている。
本地村
ほんじむら
[現在地名]豊田市本地町・本新町・東新町・西新町・田代町・田中町・深田町・美山町・柿本町
逢妻女川の東岸に沿って南北に広がる一帯で、割目池・新池・米目池・頭本池などの大きな溜池がある。
明治一八年（一八八五）の「愛知県西加茂郡各村沿革調」には「年暦未詳 吉田修理亮 高八百十壱石四斗八升九合」とあり、寛永郷帳の村高と一致する。吉田修理亮は、猿投村をはじめ天正二〇年（一五九二）の太閤検地の検地奉行を勤めており、本地村でもこの検地が実施されたと推定される。元和七年（一六二一）より松平但馬領で明治維新まで続く。
本地村
ほんじむら
[現在地名]美濃加茂市山之上町 本地
山之上八ヵ村の一つで、その南西端、加茂川が太田盆地へ注ぐ谷口にある。「濃州徇行記」によれば田方は打出し分を含め本田一五町九反余、畑方は本畑五町六反余と新開山畑二町四反余。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
