本之原(読み)もとのばい

日本歴史地名大系 「本之原」の解説

本之原
もとのばい

本原・本野原とも記され、都城城山西方にある。築城まもない永和二年(一三七六)一二月、今川満範に率いられた肥後相良氏、伊東氏をはじめ市来氏・渋谷氏・肝付氏・土持氏・禰寝氏ら日・隅・肥三ヵ国の国人らは、北郷義久・樺山音久の拠る都城を包囲し、満範は陣を同城の大手本原に置いた。両氏救援のため島津氏久は志布志しぶし(現鹿児島県志布志町)を発向してんヶ峰に布陣したという(「北郷義久譜」旧記雑録、「山田聖栄自記」など)。その後当地には城下の町が立てられた。その時期は不明だが遅くとも戦国期末には繁栄していたらしい。天正一一年(一五八三)四月五日、北郷時久への礼のため都城に至った上井覚兼は「本之原本別当古郷隆昌処」へ宿泊しており、また同一四年二月一七日にも田野たの(現田野町)から都城に着き本之原町に宿泊している(上井覚兼日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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