木豇豆・梓(読み)きささげ

精選版 日本国語大辞典 「木豇豆・梓」の意味・読み・例文・類語

き‐ささげ【木豇豆・梓】

〘名〙 ノウゼンカズラ科の落葉高木。中国中南部の原産で、暖地に広く栽培され、野生化もしている。高さ約六~一〇メートル。樹皮は灰白色を帯びる。葉は長柄をもち対生または三個輪生。葉身は長さ一二~二〇センチメートルの広卵形で先は鋭く、三~五浅裂する。夏、枝先に長さ約三〇センチメートルの円錐花序を出し、大形の花を多数つける。花冠は漏斗状で先は不整に五裂し、淡黄白色で紫斑がある。果実はササゲの莢(さや)に似て細長く、長さ約三〇センチメートル、直径約一センチメートルになり下垂し、中に扁平な種子を多数もつ。種子には両端に長い軟毛が密生。果実は食用になり、煮出して飲めば腎臓病に特効がある。材は下駄(げた)を作る。アメリカキササゲは北米原産で、公園などにあり、キササゲに似るが、花はさらに大形。一般に「梓」の字を当てるが、同属の別種をさす。漢名、楸。あずさ。きささぎ。かわらぎり。《季・秋》 〔書言字考節用集(1717)〕
夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部「季節がら食膳に上るものと云へば、石斑魚か、たなびらか、それに木ささげ、竹の子

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