木村蒹葭堂宅跡(読み)きむらけんかどうたくあと

日本歴史地名大系 「木村蒹葭堂宅跡」の解説

木村蒹葭堂宅跡
きむらけんかどうたくあと

[現在地名]西区北堀江四丁目

蒹葭堂は元文元年(一七三六)の生れで、名を孔恭、字は世粛、号は巽斎または遜斎、坪井屋吉右衛門と通称した。家は北堀江きたほりえ五丁目にあり、代々酒造業を営み、町年寄も勤める富商であった。幼少より学問を好み、本草学を津島桂庵に、詩文を片山北海趙陶斎に、画を大岡春卜・柳星恭・池大雅らに学び、書画詩文に優れた博学多才な当代一流の文人として知られた。とくに物産学の造詣が深く、稀書・珍什・標本類の収集家としても知られ、交際はすこぶる広かった。寛政元年(一七八九)酒造石高改めのとき、彼が貸株を行っていた宮崎屋次右衛門に過造があったとして咎めを受け、翌年酒造株を失い町年寄役を召上げられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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