有等市(読み)ありといち

日本歴史地名大系 「有等市」の解説

有等市
ありといち

[現在地名]秋芳町大字嘉万 上市・中市・下市

嘉万かまの南部に位置し、近世に市が置かれた。東側を厚東ことう川が南流する。

有等市の開設について「注進案」は、「往昔当村の長家里見・末永・村上抔云る者、歴代の家にて嘉万一郷の不弁理を歎き、中央当村え町形の志願を起し、春秋両度三十日宛の農具牛馬市、蒙公許」と記す。慶長一五年(一六一〇)検地帳に「嘉万市」とあり、市屋敷数一一が記される。しかし以後の検地帳には市はみえず、わずかに貞享年間(一六八四―八八)日吉ひえ神社祭礼の一〇月一日から三五日間、臨時に市が立つ程度であった(秋芳町史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報