伊佐市(読み)いさいち

日本歴史地名大系 「伊佐市」の解説

伊佐市
いさいち

[現在地名]美祢市伊佐町伊佐

伊佐の中央、東流する伊佐川流域に位置し、近世、美祢郡内では大田市おおだいち(現美東町)に次いで規模が大きかった。

慶長一五年(一六一〇)検地帳は、伊佐郷の中に市屋敷として二五軒を載せるから、この頃すでに市が開かれていたと思われる。寛永三年(一六二六)の熊野帳では家数が一八軒と減少するが、天保末年の「注進案」には、「市中北ノ方を横町と唱へ左萩往還也右下津へ津出道也西ノ方下市、中央を本町と唱へ」とあり、三町に分れ、家数も一〇〇と増加している。さらに人足一〇人、馬五を記しており、この頃には小送り場(馬継場)を兼ねたことがわかる。当市は赤間関あかまがせき街道(中道筋)からはずれた地にあったが、「大嶺・於福・河原山中、前美祢郡に岩永・秋吉、船木御宰判に吉部其外之村方を引請たる所柄にて」毎月四日、一四日、二三日には、近隣諸村を商圏とする三斎の定期市が開かれた。

伊佐市
いさし

2008年11月1日:大口市伊佐郡菱刈町が合併し、伊佐市となる
【大口市】鹿児島県
【菱刈町】鹿児島県:伊佐郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「伊佐市」の意味・わかりやすい解説

伊佐〔市〕
いさ

鹿児島県北部,大口盆地にある市。南部川内川が流れ,北で熊本県,東で宮崎県に接する。2008年大口市と菱刈町が合体し成立。川内川沿いの低地は県内屈指の良質米,伊佐米の産地として知られ,焼酎の製造も盛ん。ほかにタバコネギサツマイモなどの栽培や和牛の飼育も行なわれる。南東部に良質の金を産する菱刈鉱山がある。祁答院家住宅(けどういんけじゅうたく),八幡神社本殿,箱崎神社本殿は国の重要文化財,川内川のチスジノリ発生地は国の天然記念物に指定。南部に幅約 200m,落差 12mの曽木の滝があり,川内川流域県立自然公園に属する。国道267号線,268号線,447号線が通る。面積 392.56km2。人口 2万4453(2020)。

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