有浦(読み)ありのうら

日本歴史地名大系 「有浦」の解説

有浦
ありのうら

[現在地名]宮島町

厳島神社の東方、塔の岡とうのおか先端の宮崎みやざきより宮の尾みやのおに至る入江の名称で、ひがし町の浜地域の総称でもある。「平家物語」には「蟻浦」、厳島文書中には「在浦」と記すものもある。安元二年(一一七六)一〇月、平家一門の厳島詣の際の千僧供養の有様を記した千僧供養日記(浅野忠允氏旧蔵厳島文書)に「又船有浦并自宮崎迄于西崎、三重四重着満」とみえ、参集する船が有浦の宮崎より西崎にしざき(経の尾の先端)までうめ尽していたことを記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報