有ず(読み)あらず

精選版 日本国語大辞典 「有ず」の意味・読み・例文・類語

あら【有】 ず

(実質的な「存在」の意を失って陳述だけを表わす「ある・あり(有)」に打消の助動詞「ず」の付いたもの)
① 「ある(有)(二)」の否定形。
② (「さにはあらず」の意) そうではない。ちがう。
古今(905‐914)秋下・二七二「秋風のふきあげにたてる白菊は花かあらぬか浪のよするか〈菅原道真〉」
③ なんでもない。
※枕(10C終)八「『あれはたそ、顕証(けそう)に』といへば、『あらず。家のあるじとさだめ申すべき事の侍るなり』」

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