曼陀羅山古墳群(読み)まんだらやまこふんぐん

日本歴史地名大系 「曼陀羅山古墳群」の解説

曼陀羅山古墳群
まんだらやまこふんぐん

[現在地名]大津市真野普門町など

真野まの川水系と和邇わに川水系に挟まれた低丘陵地帯のほぼ中央に、丘陵を東西に分割するように標高一九一メートルの曼陀羅山がある。古墳はこの山を中心に築かれ、昭和五三年(一九七八)の分布調査で、前方後円墳一基(和邇大塚山古墳、全長約八〇メートル、四世紀末頃の築造)と、総数一一一基の円墳が確認された。円墳はおもに曼陀羅山の尾根上や斜面、西側の低丘陵上に築かれ、大きく五つの支群に分れる。発掘調査は行われていないが、埋葬施設は一部を除いて大半が横穴式石室で、六世紀後半から七世紀前半頃のもの。構築方法は錦織にしこおりから坂本一帯に数多く築かれている持送り技法を採用した石室と異なり、石室の壁を垂直に近く積上げる畿内地域で一般的な手法をとる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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