書・描(読み)かく

精選版 日本国語大辞典 「書・描」の意味・読み・例文・類語

か・く【書・描】

〘他カ五(四)〙 (「掻く」と同語源)
① 物の表面に絵や図をえがく。
古事記(712)中・歌謡「眉画(まよが)き 濃(こ)加岐(カキ)垂れ」
源氏(1001‐14頃)桐壺「このころあけくれ御覧ずる長恨歌の御絵、亭子院のかかせ給ひて」
② 紙などの上に文字をしるす。
※竹取(9C末‐10C初)「文をかきおきてまからん。恋しからん折々取いでて見給へとてうちなきてかくことばは」
③ 文章に作る。著作する。
※伊勢物語(10C前)一〇七「かのあるじなる人、案をかきて、かかせてやりけり」
徒然草(1331頃)六七「作文詩序などいみじくかく人也」
④ (「狂言を書く」の略) 計略にかける。たくらむ。たばかる。だます。
洒落本・売花新駅(1777)閨中并にきぬぎぬ「よく書(カク)やつよ、こっちで寐ているうちはよそへいってゐて、こっちがおきると来てねるとは、ねっからうれしいね」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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