春日居町(読み)かすがいちよう

日本歴史地名大系 「春日居町」の解説

春日居町
かすがいちよう

面積:一三・七七平方キロ

東山梨郡の南西端に位置し、北から東は山梨市、南は東八代郡一宮町・石和いさわ町、西は甲府市。山梨市域に当町の飛地がある。北西部は大蔵経寺だいぞうきようじ(七一五・六メートル)かぶと(九一三メートル)たな(一一七一メートル)など山間の地で、東端を笛吹川が南流し、おも川・川を合流する。東部の笛吹川右岸の平地甲府盆地の北東部に位置し、同川の河岸段丘上に集落は集中する。JR中央本線が南東部を横切り、春日居町駅(平成五年別田駅を改称)がある。中央本線の北側を沿うように国道一四〇号が通る。

遺跡は旧石器時代から弥生時代のものは明らかではない。古墳時代以降遺跡の数が増大する。古墳は一〇支群四一基確認されているが、おもに大蔵経寺山吾妻屋あづまや山とに挟まれた鎮目しずめ地区の山麓を中心に分布している。春日居古墳群とよばれ、狐塚きつねづか古墳・寺の前てらのまえ古墳・寺の前三号墳・笹原塚ささはらづか三号墳・天神塚てんじんづか古墳・天神のこし古墳などがよく知られている。それらは六世紀前半代を上限とする横穴式石室をもつ後期古墳である。なお笹原塚三号墳は積石塚である。狐塚古墳から銅鋺が出土し、寺の前三号墳からは金銅装単鳳環頭太刀把頭が発見されている。集落跡はみや川・平等びようどう川の沖積地に存在する。寺本てらもと廃寺・椚田くぬぎだ遺跡・寺本道万町てらもとどうまんちよう遺跡・熊野堂狐塚くまのどうきつねづか遺跡・神東町じんとうちよう遺跡などで古墳時代後期の住居跡群が発見されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報