化学辞典 第2版 「明ばん石」の解説
明ばん石
ミョウバンセキ
alunite
XY3(SO4)2(OH)6で表される明ばん石族の一つで,X = K,Y = Alである鉱物.天然には,通常カリウムの一部をナトリウムが置換した(K,Na)Al3(SO4)2(OH)6が産出することが多い.密度2.7~2.8 g cm-3.六方晶系,格子定数 a0 = 0.696,c0 = 1.735 nm.Na > Kであるものをソーダ明ばん石とよぶ.淡黄,淡紅色の塊状または繊維状,多片状を呈する.火山の噴気や,熱水が岩石を変質する際に生じ,大規模な鉱床となることもある.500 ℃ で脱水して分解する.水,塩酸,硝酸に不溶.しゃく熱すると硝酸に溶ける.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報